梅田シェフと青木さん

自然耕房あおきさんの想い

2024/7/24/wed

京丹後市、大宮町。町内のほとんどが山林である緑豊かな場所に、「自然耕房あおき」さんの畑は広がっています。

青木さんのお野菜は、滋味、風味ともにとても豊か。
野菜本来の旨味を感じると、艸花でも多くのお客様からお喜びの声をいただいており、「どちらのお野菜ですか?」と聞かれることもしばしばあります。

4月のある日、青木さんの野菜作りへの想いを伺いました。

5ヘクタールの畑を有する青木さんですが、元々はご夫婦二人でのはじまりでした。

ご主人が「何か生み出す仕事をしたい」と一念発起し、脱サラ。
知り合いもいない、師もいない、でもこの土地なら“思うような農業”がきっとできると信じ、20年前に丹後に移住されたそうです。

そこからは独学で農業の知識を貪るように勉強。
移住して数か月は、食べる・寝る以外は机にかじりつき、あらゆる本を読んでいたと、青木さんは懐かしそうに語ってくださいました。

一番大切にされていることは「環境になるべく負荷をかけない、次の世代もずっと残せる農業」。

環境に負荷をかけないということは、土も痩せさせることがない。そして末永く、未来に繋がる方法を探したかった。

それは昔からの農業にきっとヒントがあると、古くからある農業の方法を参考にし、土作りからはじめられました。

あおきさんの畑のもととなる土は、校庭やグラウンドに使われるような、白くてさらさらとした真砂土。そこに木片チップを数年かけて熟成・分解させ混ぜ込むことで、黒く栄養素の高い土を作ります。

畑の土をよくみてみると、まだ分解されていないチップがぽろぽろと出てきます。
これも少しずつ微生物に分解され、豊かな肥やしになっていきます。

あおきさんの畑では専用の肥料は使われません。野菜が本来持っている育つ力に任せ、自然なままに育てるために、すべての畑で同じ木片チップを混ぜ込んだ土を使用しているそうです。

自然なままに育てるとはいえ、ビニールハウスや重機での作業、トラックなど、完全に古来のやり方ができるかといえばそうではない…。どこまでをよしとするかについては、いつも悩みながらの選択になります。

そうして作られたお野菜は次第に評判を呼び、多くの人の元へ届けられ、地元の方や協力してくださる方が増えていったそうです。

知り合いもいない土地で、完全なゼロからのスタート。土作りから収穫までが回り始め、地元の人や協力してくれるスタッフの方も増え始めた8年前、大きな出来事がありました。

丹後へ移住してまで農業へ情熱を向けられていたご主人が、病気のため亡くなったのです。

現社長である奥様は、畑を辞め、地元へ帰ることも考えたそうです。
「もともと私は土いじりが得意ではないし、ひとりだととても出来ないと思ったんです。主人の想いでここへ来たので…。」 
ですが「この畑を辞めるのはもったいない。野菜作りを続けてほしい。」と周囲の方々に説得され、悩んだ末にスタッフの方とともに畑を続ける決心をされました。

またある日の艸花